腋臭(ワキガ)って?治療した方が良いの?
ワキガ(腋臭)は美容的な悩みと言うよりは、他人に与えてしまう不快感に対するコンプレックです。
ただし、ワキガはその程度が様々で深刻な状態〜殆ど分からない状態と様々です。
これは、本人の感じ=他人の感じではないので必要以上に心配されている場合もあるようです。
でも、臭いの悩みが原因で仕事やプライベートで積極的に活動できずに損をしてしまわないように
適切な治療を受けることはとても大事な事だと思います。
慣れている医師の場合は患者さんが診察室に入室した時点でその深刻な程度が分かるので実際に
臭いの深刻度が確認できると思います。
治療の必要性は本人がどのくらい困っているかですが、治療法は臭いの程度によって
いくつか選べるので、適切な治療を医師と相談して決めるのがベストです。
腋臭(ワキガ)?なぜ、不快な匂いが出るの?
ワキの下には… 汗を分泌する汗腺があり「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の
2種類があります。また、皮脂を分泌する「皮脂腺」があります。
ですから脇の下の分泌腺は3種類です。
これらから分泌される汗や油分が混ざってものが雑菌によって分解されると独特の
ニオイを放つようになるのですがこの匂いがワキガ(腋臭)にあります。
ワキの下にある3つの分泌腺は誰にでもあるものですが, その数や分泌される汗の成分の特徴から
臭いの差が出てくるようです。
欧米人に比べて日本人はわきがの人は少ないといわれますが、それでも約1割、10人に1人が
腋臭症(ワキガ)であるとされています。
腋臭症(ワキガ)は遺伝的な要素が強いのですが、食生活の欧米化にともなって体臭の強い人が
増えていると言われます。
汗腺の種類と特徴
*エクリン汗腺
全身に分布し、暑いときや運動をしたときなどに汗を分泌。
この汗には、体内の熱を放出して体温の調節をするという大切な役割があります。
99%が水分・1%が塩分で構成されており、さらっとした質感でニオイもありません。
*アポクリン汗腺
ワキのほか、乳輪や陰部、耳の穴など、体の特定の部位にあり、やや粘り気のある汗を分泌。
脂肪や鉄分、アンモニアなどからできていて、もともと多少のニオイがありますが
このニオイ自体がワキガ(腋臭)になるのでは無く汗に含まれる分泌物が雑菌によって
分解された時に発生するガスが不快な臭いのワキガ(腋臭)になります。
腋臭症(ワキガ)と多汗症(たかんしょう)は違う?
多汗症は、、
特にエクリン汗腺から必要以上に汗が分泌されるのが「多汗症」です。温度や湿度に関係なく、
そして運動や食事などの汗が出る様な事をしていないにも関わらず大量に汗が出るのが特徴です。
原因は、汗の分泌をコントロールしている交感神経の乱れ、体質、精神的なストレス、食生活、
ホルモンバランスなど、様々な要因が絡みあって、交感神経が正常に働かなくなる事で起こります。
汗をかいて、焦ると余計に発汗してしまうと言われます。
汗が大量に出ることによって、ニオイも強くなる傾向になる事もあるので多汗症=腋臭症では
無いですが多汗症が腋臭を悪化させる原因になる事はあると思います。
症状の強い部位は、ワキの下、手のひら、足の裏などですが人によって異なります。
腋臭症(ワキガ)の治療法
ワキガの治療は汗の量を減らす事で匂いを減少させる方法が主流となっています。
①汗腺を除去または破壊する方法ー吸引法、剪除(せんじょ)法、マイクロ波照射
②汗の分泌を減らす方法ーボトックス注射
⑴吸引法
脂肪吸引の要領で細い管(カニューレ)を使って真皮に近い脂肪層(アポクリン汗腺)を吸引し
除去する方法です。この方法で汗腺が減って発汗量が減少して匂いを減らすのです。
⑵剪除法(せんじょ)または皮弁法 (剪除とは?:切って取り除く)
脇の下を切開してアポクリン汗腺を削って除去する方法です。汗腺は肉眼で見る事はできませんが
皮膚の構造的に アポクリン汗腺がある部位を除去するのです。1〜2週間のダウンタイムが
必要で痛みや血腫などの合併症もありますが、効果の高い治療法と言えます。
⑶マイクロ波照射(ミラドライなど)
マイクロ波を照射して皮下の汗腺の機能を破壊して汗の量を減少させる治療です。
治療時間は約30分前後でマイクロ波によって破壊された汗腺は再生しないと言われています。
⑷ボトックス注射
ボトックス注射はシワの治療で有名ですが、脇の汗腺のところに注射する事で汗が分泌する時の
筋肉の動きを止めて汗を抑えます。
他の治療法と比べて痛みや傷、ダウンタイムが無いのに一定の効果があるので時間もかからずに
手軽に治療を受ける事が出来るの方法です。
腋臭症(ワキガ)の治療法のまとめ
手術(吸引法、剪除法) | マイクロ波(ミラドライなど) | ボトックス療法 | |
効果 | 半永久的 | 長期的 | 4〜6ヶ月 |
ダウンタイム | 1〜2週間 | 2〜3日 | ほぼ無し |
治療時間 | 1〜2時間 | 1時間前後 | 10分前後 |
傷跡 | わずかに残る | 無し | 無し |
効果 | 有効 | 有効 | 有効 |
適応 | 重度のワキガ | 比較的軽度のワキガ | 比較的軽度のワキガ |